未来に羽ばたく君たちへ 担任 根本 満
3月4日土曜日、前日の謝恩会で飲み過ぎて(歌い過ぎて?)立っているのがやっとの状態で何とか授業を終えた。そして車をとばしいったん、家に帰って着替えをしてから一路、O町の友人宅に向かった。
東西に走る道路から友人宅が前方に見える頃、私の視界に入ったのが連なる花輪だった。最後の信号を右折すると道路左側は駐車した車が列をつくっていた。まさか、こんな日に、まさかこんなに早くに親友の父親の告別式があるとは夢にも思わなかった。
物心がついた頃に、気付いたら遊びに行っていたその友人の父は、釣り好きで気さくな人だった。思わず父ちゃんと言いたくなる人だった。ついこの間まで元気にしていたと思ったら、突然の訃報に絶句した。入院して一か月だったと言う。肺癌だったらしい。最後は苦しんで苦しんで、吐血がひどく一面血の海だったと聞く。奥さんの看病疲れは計り知れないものだったろう。
人の死に、年を重ねる毎に直面することが多くなる。その度に人間の命のはかなさ、つらさ、悲しさを思い知らされる。私自身、兄の死から叔父の死、先輩の死、同級生の死、教え子の親の死、そして教え子の死と様々な死に直面してきた。突き詰めていくと自分がいつ死ぬかわからないと思わざるをえなくなる。
死を真剣に見つめるとき、今生きている自分がこれでいいのかと反省させられる。いつ死んでも悔いの残らぬよう ”今を力いっぱい生きよう” と思う。生きることのすばらしさを身にしみる。
未来に羽ばたく君たちよ、
甘えを捨て世の荒波を乗り越えてゆける
魂を身につけ給え。
未来に羽ばたく君たちよ、
恕(おもいやり)を持ち他人の心の痛みの
わかる人になり給え。
未来に羽ばたく君たちよ、
些細なことにも感動できる
繊細な神経を持ち給え。
未来に羽ばたく君たちよ、
涙や汗を惜しみなく流せる人になり給え。
未来に羽ばたく君たちよ、
たった一人しかいない自分を
たった一度しかない人生を
本当に生きなかったら人間に生まれてきた甲斐がないじゃないか。