神の菜箸

ボヤッキー先生は現在M中学で、研修主任と道徳主任をしています。つまり、M中学ではボヤッキー先生がすべての善悪の基準となっていると言うことです。M中学の研修主題は「歯を磨かなくても虫歯にならない、たくましい生徒の育成」です。これほど徳を備えた人、いや神様はいません。給食の時、ボヤッキー先生は長い長い菜箸(さいばし)を使います。この菜箸を使うと、自分では食べられないのです。しかし、人には与えることができます。この菜箸で生徒に食べさせるのです。結局自分は何も食べません。勿論、霞を食って生きているので食べる必要もないのですが。また、生徒が箸を忘れた時はこの菜箸を貸します。生徒は思いきり肘を伸ばして、自分の口に給食を運ぼうとしますが、なかなかうまくいきません。自分のことしか考えない人が殆どの今の世の中。ボヤッキー先生の「神の菜箸」はこれからも何かを訴え続けます。