ああ、無謀!

夢通信・スキー教室物語 発行1月31日

 暖かい日が続いていたのが嘘のように、今年一番の寒波襲来。関越トンネルを抜けるとそこは別世界の雪、雪、雪。電光掲示板に只今の気温マイナス10度と表示されていました。
 私の担当は男子の中級、間違っても初心者や生まれて初めてスキーをするなんていう生徒はいるはずもありません。どんどん数を滑らせようと思い、リフトに乗って後楽園スキー場に移動。ところが、リフトに乗るや否(いな)や下を見るとスキーの板が一つ。まさかと思ってリフトから降りると片足で待っている生徒あり。と思ったら、「先生めまいがします。」と血の気のひいた顔で震える生徒。(降りしきる雪が顔面を凍らせるようだった。) 
 更に不吉な予感は的中。後楽園に行くリフトから降りた途端、転倒して起き上がれない生徒あり。聞けば生まれて初めてスキーというものをするという。それが何故か中級班。ああ、無謀!スキーをなめるんじゃねー。その生徒を初級班に行かせた後で、転倒してまたもや起き上がれず、待てど暮らせど来ない生徒。ああ、無謀!
 
 午後にはスキー3回目で上級班に入ってみんなの足手まといになり中級班に来た生徒。猛スピードで斜面で転倒し、10回転位しても平気ですと強がりを言う生徒。ああ、無謀!
 そして終盤、H先生が気持ちよさそうに滑っていてちょっと休もうと止まった直後、すごい勢いでH先生目がけて突進する生徒あり。あーと思った瞬間そのまま激突した生徒。ああ、無謀!こんな無謀な生徒達にとってはさぞかし楽しいスキー教室だったに違いない。H先生や私にしてみれば、ああ無情!のスキー教室でした。 
 いずれにしても、雪国の大自然の中で、降りしきる冷たい雪の中で眉毛も凍り、顔は冷たいを通り越して、痛くてたまりませんでした。昨年は暖かく、午後は雨でした。今年は厳しい寒さの中、思う存分雪と戯れ、新雪に突っ込んだり、転倒したりと思い出深いスキー教室になったと思います。