「頑張れ」という言葉 K・Kさん

 日々の生活の中で「頑張れ」、「頑張る」という言葉をよく使っている。なにげなく使っているこの言葉が、一番難しいのかもしれない。相手のことをひどく傷つけてしまったり、すごくうわべだけの人だと思われることだってあるだろう。

 自分自身に余力があって、希望の光がみえている人にとっては「頑張れ」も力になるだろうが、全力をつくしているのに簡単に「頑張れ」なんて言われると、弱った心をえぐられるようなものだろう。

 学校や友達、家族にも理解されないような暗闇の中にいる子供たちや、精神的に追いつめられた人たち。失意のどん底にいる人たちに対して、どんな言葉で気持ちを伝えたらいいんだろう。心から応援している気持ちも「頑張れ」としてしか表現できないことがもどかしい。精いっばいやったのなら、そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか。

 本当に悲しい時、もっと素直に悲しんだらいいんじゃないか。視点を変えて、気持ちを楽にしてあげてもいいんじゃないか。

 ピンと張りつめたり、ギリギリのところまで追いつめられた心には、そんな余裕は生まれてこないんだろうな。もっと深く考えて「頑張れ」という言葉を使っていきたいと思う。

5月17日付・J新聞ひろば欄(会社員41)