季節の花 紫陽花 七変化の花

 
花の中には、意外な変わりものがいる。それは花びらが余りにも貧弱であることから、オーバーに当たる「ガク」を派手に変身させて、昆虫達を誘うように目立とうとしているものがある。その一つがこの紫陽花である。テッセン、沈丁花、菖蒲(しょうぶ)などとともにアジサイの花は花びらが退化していてその代わりにガクが大きく発達している。

 これらの花は、一目見たときに花びらが開いたものと見る人が多いだろうが、実は花びらではなくガクが変身したもので、その上に咲く小さな花の部分が本当の花びらなのである。このように、注意してみないと花びらとガクの区別のつかない花もある。また、ドクダミの4枚の白い花びらに見えるのも実はミズバショウと同じように包(ほう)と呼ばれるもので本当の花は退化してありません。

 さて、アジサイの別名を七変化ともいうのですが、この花びらのようなガクは一体どうして赤や青に変わるのでしょうか?

 実は、生育する土の性質によって左右されるのです。つまり酸性の土壌では青色に、アルカリの土壌ではピンクか赤になるとされています。詳しい研究はまだなされていませんが、ミュウバンを埋めておくと一本の木にいろいろの色の花(ガク)がつくといわれます。一度お試しください。